タマネギは世界中で利用されている野菜です。旬は春と秋の2回で、本州の春どりと北海道の秋どりにより、年中を通じて安定して出荷されています。タマネギの原産地は中央アジアで、古代よりヨーロッパからインドにかけて栽培されてきました。日本には、明治初期にアメリカから導入され、北海道と大阪の泉南地方で栽培が試みられました。当時、十勝地方のタマネギ畑では、バッタの大群が度々発生し、防除に軍隊が出動したほどです。その後、品種改良が進み、現在のような作型が出来上がりました。
タマネギの臭いの成分はアリシン(硫化アリル)で、辛味や涙腺刺激の作用があります。アリシンは、疲労回復、消化促進、精神安定、殺菌、高血圧症や糖尿病予防によいと言われています。寝つきが悪いときに生のタマネギを傍らに置くと、アリシンの作用でよく眠れるとされ、昔から利用されています。
タマネギの皮には、ポリフェノール類のケルセチンがあり、皮を煎じて飲むと動脈硬化の予防に役立ちます。