不眠には3 つの状態があり、「入眠困難( 寝つきが悪い)」「中途覚醒( 眠っても、よく目を覚ます)」「早朝覚醒( 早く目が覚めて困っている)」に分けられます。
また、睡眠時無呼吸症候群があると、よく寝た感じがしない、いびきをかく、呼吸が止まるなどの症状が出ます。
不眠の診断
病院では、まず「どのように眠れないのか」という患者さんの状況をしっかり聞き取ることで、不眠の種類を明らかにします。睡眠習慣だけでなく、生活習慣も確認します。
また、精神疾患の症状としての不眠があるので、うつ状態などの心の不調があるかもチェックします。睡眠時無呼吸症候群では、終夜ポリグラフ検査が有効です。
不眠の治療
まずは良質の睡眠をとれるようにアドバイスします。
- 睡眠時間は個人差があり、朝心地よく 起きられて、日中眠くなければ睡眠は十分です。
- 寝る前のカフェイン、タバコは避け、心地よい音楽、軽い読書、ぬるめの入浴などでリラックスします。
- 眠くなったら寝て、決まった時刻に起きると早寝できます。
- 睡眠薬がわりのお酒は眠りを浅くします。
- 運動習慣は熟睡を促進させます。
- 朝食は目覚めに重要です、夜食は軽めにします。
以上の点を理解してできるだけ実行してもらいます。そのうえで、薬物療法を考えます。薬物療法は、くせになると不安を持つ人がいます。必要な人には医師の指示で服用することを約束し、中止するときも本人と相談しながら少しずつ減らすと一時的ですみます。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬のうち、入眠困難タイプには「超短時間・短時間作用型」、中途覚醒・早朝覚醒タイプには、「中間・長時間作用型」の薬が効果的です。中途覚醒・早朝覚醒タイプは、翌朝、眠気が残ることがあります。
アルコールと併用すると、ふらつき、一時的な記憶障害、もうろう状態がでますので、医師の指導を守って注意して服用しましょう。