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頚動脈狭窄症とは?気をつけたい症状や生活習慣の見直しについて ウォーキングなどが効果的

18_0704脳は、その活動を維持するために、大量の血液が心臓から供給されています。脳と心臓は、4本の太い血管によってつながっていますが、そのうち最も多くの血液を送っている血管が「頸動脈(けいどうみゃく)」です。この頸動脈に動脈硬化が発生すると、血管の内腔が狭くなり(これを狭窄といいます)脳への血流が低下したり、また狭くなった部分から血の塊が脳の血管に飛んで脳梗塞を引き起こしたりします。

日本人の死亡原因の3位といわれる脳卒中は、以前は脳出血が多かったですが、食生活の欧米化や高齢化に伴い現在はその8割が脳梗塞によるといわれています。頚動脈狭窄は、脳梗塞の原因として、最近増加し注目されています。

 

頸動脈狭窄症の症状

頸動脈狭窄症は、少しずつ、膜の厚みが増していくため、軽度であれば、ほとんど症状を呈することはありません。次にあげる方は、すでに進行している可能性もありますので、一度専門医による超音波検査をお勧めします。

①最近、一過性の麻痺やしびれがあり、すぐに(多くは数時間以内)改善した

②最近、どちらかのが急に見えにくくなり、または全く見えなくなり、すぐに改善した

③最近、急に呂律が廻らなくなったり、言葉がうまく出にくくなり、回復した

④過去に何回か繰り返して、脳梗塞の発作の発作をおこしている

⑤心臓の拍動に一致した耳鳴りが聞こえるようになった

⑥高血圧・糖尿病・高脂血症(コレステロールや中性脂肪が高い)・心筋梗塞や狭心症・下肢の閉塞性動脈硬化症・肥満・喫煙歴などの動脈硬化の危険因子を複数もっており、一度も頸動脈の検査をしたことがない。

 

予防について

動脈硬化を予防するには、「食べ過ぎない」「食物繊維をとる」「砂糖・果物を取り過ぎない」「大豆製品を取る」「水分を取る」「3食きちんとゆっくり食ぺる」など、食生活で気を付けることがあります。

また、太ももの筋肉を使う有酸素運動(ウォーキング・ジョギングなど)は非常におすすめです。太ももの筋肉は、体の中でもっとも大きな筋肉で、有酸素運動によってこの筋肉を活発に動かすと脂肪を分解する「リポタンパクリパーゼ」という酵素が働き、その結果、善玉コステロールが増え、悪玉コレステロールが減ることが明らかになっています。

1日に2~3キロを目標に行うと効果的です。ただし、2~3日あけると効果が低下しますから、少なくとも1日おきに運動するように心がけてください。