年齢が高くなるにつれて体力が低下し、病気になりやすくなる状態に陥ることがあります。こうしてストレスに対して脆弱になり、不健康を引き起こしやすい状態がフレイルと呼ばれています。
将来、転倒したり、介護が必要になる危険が高まりますが、適切な介入を行う事で健常な状態に戻る可能性がありますので、早めに老年病内科などを受診しましょう。
フレイルの評価
具体的な判定基準については今も様々に議論がなされています。代表的なものでは、以下の5つの内、3つ以上が該当する場合にフレイルと判定されます。
- 体重減少
- 筋力低下
- 疲労感
- 歩行速度の低下
- 身体活動の低下
フレイルになりやすい人
調査によって異なりますが、65歳以上になると1割前後の方が、80歳以上になると実に3割以上の方がフレイルになると言われています。従って、高年齢はフレイルの危険因子の一つといえます。
高年齢以外にも、高血圧や糖尿病、骨粗鬆症、心臓病、呼吸器疾患などの慢性疾患に加えて、体脂肪率が高く筋肉量が少ないなどの体型の特徴も危険因子です。
また、精神・心理的あるいは社会的な要因が関わっている事も指摘されており、例えばうつや初期の認知症も密接にフレイルに関連しています。
フレイルの予防
フレイルに関連した多くの要因をコントロールする事が大切になってきます。慢性疾患のある方は医師の指示に従い、きちんとコントロールしていきましょう。
インフルエンザなどの感染症によって大きく体力が低下することがありますので、予防接種やうがい、手洗いなどを行うことも重要です。運動、とくに筋肉に負荷をかけるトレーニングが有効と言われています。ただ、どの程度の運動が高強度であるかは人によって異なり、毎日の歩数を増やすだけで効果があったという報告もあります。不安がある場合には専門的な医療スタッフに指示を受け、無理のない範囲で継続的に運動を行っていきましょう。
バランスのとれた食事も重要です。1日3食主食、主菜、副菜のバランスがとれた食事をとりましょう。
また、人との交流を行う社会活動も、心理面を活性化し、フレイルを予防するため有効と考えられます。