私たちの鼻の穴の周辺には「副鼻腔」という4つの空洞があります。そこに細菌や花粉などが入り、膿がたまるなど、炎症を起こすことを「副鼻腔炎」といいます。
風邪などのウイルスや細菌の感染によってなる「急性副鼻腔炎」、それが長引いたり、繰り返すことによって3ヶ月以上症状が続いてしまう「慢性副鼻腔炎」(蓄膿症)があり、毎年1000万~1500万人もの人がかかる身近な病気です。
最近では治りにくい慢性副鼻腔炎で、難病でもある「好酸球副鼻腔炎」も増えており、これは白血球の一種「好酸球」が副鼻腔に集まり、鼻茸という突起物ができて鼻の通りを塞いでしまう病気です。
副鼻腔炎は軽度なら症状が自然に治ることもあり、気がつかない人も多くいますが、ひどくなると辛い症状が出てきますので注意が必要です。
- 副鼻腔炎の症状のある鼻水が続く
- 鼻がつまり、息がしづらい
- 鼻をかんでもかみきれない
- 頭が重い、頭が痛い
- 体がだるい
- 顔面もしくは歯、鼻や目の周りが痛い
- 匂いや味がわかりづらい
- 嫌な匂いがする
- 咳や痰が出る
他の病気との関係
副鼻腔炎の症状がある場合、「気管支喘息」や「アレルギー性鼻炎」などを併せ持っていることが多くあります。また副鼻腔炎が原因となって「中耳炎」「目の感染症」などを起こすことがあり、最悪の場合、まれではありますが、症状が脳に及び「脳膿瘍」や「髄膜炎」など重度な病気に発展し、命に関わることもあります。
副鼻腔炎の治療と対策
副鼻腔炎になってしまった場合は、しっかりと治療しましょう。急性ならば症状を抑える薬と抗生物質を服用するのが一般的。慢性になってしまったときは、少量の抗生物質を長期間飲み続ける治療が行われることも。難病でもある「好酸球副鼻腔炎」の場合は手術をして鼻茸をとる手術をします。しかし、再発しやすいため、手術後も長期間の治療が必要です。
副鼻腔炎にならないために予防も大切です。風邪や花粉症などのアレルギーをきっかけに慢性副鼻腔炎を起こしやすので、できるだけ病気にならないこと、そして症状を長引かせないことが予防に繋がります。この時期、花粉症が辛い人は症状を放っておかないようにしましょう。