メニエール病とは、内耳が原因でめまいが起きる病気です。30~40代の女性に多く見られます。日本では、人口10万人あたり、15~18人と言われています。また、めまいを訴える人のうち、メニエール病は5~10%です。しかし、医師によっては、原因はよくわからないがめまいを訴える方に、安易に「メニエール病」と診断してしまうことが問題視されています。「メニエール病」以外にもめまいを起こす病気は多々あり、それぞれ原因も治療法も異なるので注意が必要です。(突発性難聴、聴神経腫瘍、内耳炎、真珠腫性中耳炎、内耳梅毒、自律神経失調症などは特に症状が似ているので間違えやすいといわれています。)
メニエール病の症状
メニエール病の症状として、まずあげられるのが、「めまい」です。突発的な回転性のめまいが起こり、ひどい場合は立ち上がることが困難になります。このめまいは、数十分から数時間に渡って続きます。また、めまいと同時に難聴、耳鳴り、吐き気、嘔吐、冷や汗、顔面蒼白、耳の閉塞感などが発生します。メニエール病がひどくなると、めまいの発作が起きていないときでも、難聴や耳鳴りが起きたり、平衡感覚が乱れたりするようになります。
メニエール病の原因
メニエール病の詳しい原因は、未だ解明されておらず、特定疾患に指定されている難病です。しかしながら、脳が原因で起こる「中枢性のめまい」ではなく、内耳(耳の一部)の中でリンパ液が増え過ぎて水ぶくれ状態になって起こる「内耳性のめまい」であることが分かっています。内耳には、平衡感覚をつかさどる器官があり、これらが圧迫されて症状が発生します。なぜリンパ液の異常が発生するかは分かりませんが、メニエール病の発症にはストレスが強く関与しているといわれています。
予防のために
メニエール病を完全に防ぐ方法はわかっていません。しかし、いくつか注意することがあります。
①塩分の過剰に注意
塩分をとりすぎるとメニエール病の発作を誘発する危険性があるとの報告があります。
②十分な睡眠を
夜更かしを続けるとメニエール病の発作が起こりやすい、といわれています。
③仕事を減らす
我慢してがんばることは、メニエール病にとってよくありません。
④ストレス発散
先にも述べましたが、メニエール病はストレスが関与している場合が多くみられます。休養をしっかりとる、趣味を見つけるなどのストレス発散を心がけましょう。