むくみとは、血液中の水分が血管やリンパ管の外にしみ出し、皮膚の下にたまった状態のことです。人間の体は、血液が全身に届くように血管(動脈と静脈)とリンパ管があります。心臓から送られた血液は、まず動脈を通り体に栄養や酸素を届け、老廃物や二酸化炭素を回収して静脈やリンパ管を通って心臓に戻ります。しかし、静脈やリンパ管がスムーズに流れないと、血液がうまく循環できなくなり、余分な水分がたまるため「むくみ」が出ます。
むくみの原因
【比較的軽いむくみ】
「塩辛いものを食べた」「お酒を飲んだ」「寝不足」「泣いた」などにより顔がむくむことがあります。また、立ち仕事など重力の関係で血液が心臓に戻りにくくなることにより足がむくむこともあります。これらは一過性のものであり、朝起きて1~2時間で治まっていれば大きな心配はないといわれています。また、高齢者は、筋力が低下することにより血液循環が悪くなり、若いときよりもどうしてもむくみやすくなります。
【病気が原因のむくみ】
ネフローゼ症候群(腎機能や尿路の病気)糖尿病性腎症などの腎臓疾患、慢性心不全、肺性心(肺の病気が原因で起きた心疾患などの)心疾患、上大静脈症候群(上大静脈がつまって血液が循環できない)やリンパ浮腫、静脈瘤などの血管の疾患、クッシング症候群、甲状腺機能低下症などの内分泌系の疾患など、重篤な疾患が関与しているむくみもあります。むくみが慢性化している、尿の出が悪い、呼吸が苦しい、汗をかかない、下痢、吐き気、皮膚の硬化、全身がむくむなどの症状を併発する場合は特に注意が必要です。
むくみの予防
【運動(ウォーキング)】
長時間同じ姿勢をとると血流が悪くなりむくみの原因となります。また、運動不足は筋力低下を招き、更にむくみやすくなります。よく歩くことをおススメします。
【睡眠】
よい睡眠によりホルモンバランスや血行不良が改善されます。寝る前にストレッチなどで筋肉の緊張をほぐしたりぬるめのお風呂にゆったり浸かるなどして熟睡できるようにしましょう。また、足がむくむ方は足の高さを少し高くして寝るとよいでしょう。
【栄養】
栄養のバランスをとることが大切ですが、特に水分代謝に関わるビタミンB群は欠かせません。豚肉・レバー・ゴマ、海苔、干し椎茸、豆類などを取るようにしましょう。
その他、体をしめつける服装もむくみの原因となりますのでご注意ください。