肝機能障害とは、肝臓が何らかの異常によって障害を受けることにより、正常に機能しなくなることをいいます。肝臓は、働きが悪くなっても自覚症状が少ないため、健康診断や人間ドックなどで指摘されるまで気づかない場合がほとんどです。しかし、症状がないからといって放置すると、肝硬変、肝臓がんといった重篤な病気に発展することがあります。
肝機能障害の症状
肝臓は再生能力が高く、また一部の肝細胞が死んでも他の細胞が補う性質があります。そのため、肝臓の半分の細胞が死んでしまっても、他の細胞のおかげで自覚症状はほとんどありません。
しかし、さらに病気が進行すると自覚症状が表れてきます。例としては「黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)」「倦怠感」「食欲不振」「むくみ」「体のかゆみ」「嘔吐」「爪が白く濁る」などがあります。こうした症状を感じるようになった場合は、すみやかに病院にて検査を受けることをお勧めします。
肝機能検査の数値について
肝機能検査は、主にGOT(AST)、GPT(ALT)、γ-GTPといったものであらわされます。これらは、肝細胞の中に存在するタンパク質(酵素)ですが、何らかの原因によって肝細胞が破壊されると体内に流出し、数値が上昇します。その数値の変化によって疑われる病気が変化します。
例
GOTが高くGPTが高くない場合
心筋梗塞など
GPTが高い場合
肝臓病など
GPTがGOTを上回る場合
脂肪肝、慢性肝炎など
GOTがGPTを上回る場合
肝硬変、肝臓がん、アルコール性肝炎など
γ-GTPが高い
アルコール過剰など
※これらは、あくまでも目安です。
肝臓のために
肝臓に負担をかけないためには、食事に気をつけましょう。
①タウリンの摂取
魚介、貝類(特に牡蠣)、イカ、タコ、魚の血合いなどに含まれる栄養です。タウリンには酵素の働きを助ける働きがあります。
②DHA・EPAの摂取
えごま油、シソ油、緑黄色野菜などに含まれます。
③タンパク質の摂取
肉、魚介、卵、大豆製品などに含まれます。
④アルコールは極力控える。