「五月病」「六月病」は、正式な医学用語ではありません。また、どのような症状がでたら五月病か、というきちんとした定義もなく、医学的には、これらの症状は「適応障害」と診断されます。その名からわかるとおり、原因は主に環境の変化と言われています。
五月病という名前は、大学1年生が、5月の連休後にこの症状に陥りやすいことに由来しています。入学直後の4月には新しい環境への期待があり、やる気に満ち溢れています。しかし、その新しい環境に適応出来ないでいると、受験勉強のストレスも手伝って、人によっては「うつ病」に似た症状が出てしまいます。また、「六月病」は新社会人が、新人研修が終わってからしばらく後の6月頃に発症する場合が多いために、このように名づけられました。しかし、この症状は、学生や新入社員だけに起こるのではなく、環境の変化があれば、いつでも、誰でも起こる可能性があり最近では中高年の方に発生するケースも増えています。
原因となる環境の変化とは?
五月病や六月病は、主に環境の変化が原因となる場合が多いのですが、それらを具体的にあげると、
①家族構成の変化
②転職などによる職場や仕事内容の変化
③定年などによる時間の使い方の変化
④目標を達成した(入学、入社など)開放感
⑤目標達成後次の目標を見つけられない
⑥新しい人間関係
などがあります。
五月病・六月病の諸症状
「五月病」「六月病」の症状は、精神的なものから身体的なものまで幅広く指摘されています。また、程度も軽いものから重度のものまで様々です。
精神的な症状
無気力・無関心・イライラ・うつ・思考力や判断力の低下など
身体的な症状
疲労感・便秘や下痢・朝起きられない・食欲不振・めまい・頭痛・不眠動悸など
これらの症状が重度の場合は、無理をせず心療内科や精神科を受診することをお勧めします。また、長引くと「うつ病」へ移行することもありますので特に注意が必要です。
かかったな、と思ったら
五月病、六月病は生真面目な方がなりやすいと言われています。自分で「かかったかな?」と思ったら、
①人と会話をする(愚痴を吐き出す事も大切です。)
②気分転換をする
③規則正しい生活リズム
④新たな目標を設定する
以上4つのことが大切です。しかし、これらが出来ないほど進行している場合は、専門医に相談することが大切です。
また、周りにそのような方がいた場合、励ましたり焦らせたりするのは厳禁です。ご本人の話に耳を傾け、温かく見守ることが大切です。