中高年になってひざが痛くなる病気はいくつかありますが、その中で一番多いのは「変形性ひざ関節症」です。これは、命に関わるような病気ではありませんが、ひざが痛くなると、「階段の上り下りが苦痛になる」「歩行することが困難になる」など日常生活に支障が出てしまうこともあります。また、ひざが痛いため、体をささえることが出来ずに転倒してしまい、骨折から寝たきりになることもあるので注意が必要です。
変形性ひざ関節痛とは?
正常なひざ関節は、表面が弾力性がある軟骨で覆われています。これにより、衝撃を和らげたり、動きを滑らかにしたりしています。
しかし、長年ひざを使うことにより、軟骨が磨り減っていきます。軟骨の磨耗が進行していくと、ひざがなめらかに動けなくなり、関節炎や関節痛を引き起こします。また、軟骨がなくなることにより、大腿骨(だいたいこつ)と頚骨(けいこつ)が直接ぶつかり、関節そのものが変形してしまいます。こうなると、歩くだけでも激痛を伴い、また曲げ伸ばしもほとんど出来なくなり、日常生活において大きな障害となってしまいます。これが変形性ひざ関節症です。変形性ひざ関節症は、年齢と共に増加し、80歳では、女性の60%、男性の50%の方が変形性ひざ関節症だといわれています。
変形性ひざ関節症の諸症状
変形性ひざ関節症は、進行具合によって様々です。
①初期
・朝起きたときにひざがこわばる
・立ち上がったとき、階段などで痛む
・正座すると痛む
・ひざが腫れている感じがする など
②中期
・閲関節のこわばりが強く動きにくい
・ひざに水がたまる
・痛み・腫れ・熱感がある
・O脚が進行する など
③末期
・痛みのため歩けなくなる
・ひざが曲がらない
・ひざが著しく変形する など
当然ながら、治療を行う場合は、出来るかぎり早期のほうがよいといわれています。無理な我慢はしないようにしてください。
変形性ひざ関節症の予防
変形性ひざ関節症の予防には、次のことが挙げられます。生活されるうえで、是非ご注意ください。
①体重を減らす
体重が増えるとひざの負担が増えます。
②ひざを冷やさない
冷えると血行が悪くなり、ひざに悪影響が出ます。また正座は避け、椅子にすわるようにしましょう。
③筋力を増やす
椅子に座ってひざを伸ばして足を上げる運動がよいでしょう。太ももの筋力が弱くなるとひざの負担が増えます。
④食事
関節を柔軟にするには、納豆などのネバネバした食品を取るとよいといわれています。またヒアルロン酸やコラーゲンを含んだもの(豚足など)もお勧めです。ただ、カロリーなどが心配な場合は栄養補助食品をうまく活用しましょう。