肺がんとは、気管支や肺から発生する悪性腫瘍のことです。がんで亡くなった人数を部位別に多い順に並べると、肺がんは男性で第1位、女性で第2位です。発生数と死亡数に大きな差はなく、これは、肺がん患者の生存率が低いことと関連しています。肺がんは大きく分けて4種類あります。
【腺がん】
腺組織とよく類似しているがん。女性や喫煙しない方がかかる肺がんの多くは腺がんです。肺がん全体の約半数を占めます。
【扁平上皮がん】
皮膚などの扁平上皮に類似しているがん。喫煙と関わりが深く、肺がん全体の約30%を占めます。
【大細胞がん】
正常な組織と類似していないがんで、細胞が大きなものを大細胞がんといいます。肺がん全体の数%です。
【小細胞がん】
体の正常な組織と類似していないがんで、細胞が小さなものを小細胞がんといいます。発育成長がはやく、転移しやすいのが特徴です。肺がん全体の約15%を占めます。
肺がんの初期症状
肺がんは初期症状は、腫瘍ができる場所によって異なります。肺門型は咳やタン、血タン、声枯れ、喘鳴(ゼイゼイいう)などの症状が出ますが、風邪と似ているため見過ごされる場合があります。肺野型は初期症状はほとんどなく、他に転移してから他の場所の痛みや異変により発見されることが多いと言われています。腺がんは肺野型が多く、扁平上皮がんは肺門型が多いのでご注意ください。
肺がんの原因と予防
肺がんの原因としてまずあげられるものは喫煙です。たばこを吸う人の肺がん発生率は、吸わない人に比べて、男性では4.5倍、女性では4.2倍に高いと言われています。大気汚染も肺がんの原因となります。その他、アスベスト、遺伝など様々な原因が考えられています。
肺がんを予防するためには、まず大切なのは、「禁煙」または「タバコを吸わない」です。ご自分が吸わなくても、周りで吸っている場合も注意が必要です。また、食事も大切で、野菜・果物などバランスよく摂取することが予防につながります。また、女性の場合は大豆に含まれる栄養が非常によいとされています。その他、適度な運動、十分な睡眠など肺がんに限らず健康を維持することをこころがけてください。