冬季うつ病とは、季節の変化によって発生する「季節性感情障害」のひとつです。1984年にアメリカの研究者が病気として発表しました。主に10月~12月頃にかけて「うつ」のような症状が発生しますが、春先には治るのが特徴です。うつ病という名前がついていますが、精神的な問題をかかえているわけではなく、季節性のものなので、一般的なうつ病とは状況がまったく異なります。冬季うつ病は、一度発生すると、毎年発生する傾向があります。
冬季うつ病の症状とは?
冬季うつ病の症状は様々なものがあります。
①過眠
しっかりと睡眠時間をとっているにも関わらず、寝たりない状態が続き、朝起きるのがつらくなります。
②過食
通常よりも空腹感が強く、食べ過ぎてしまうことがあります。
③甘いものを好む
パンやごはん、芋類などの炭水化物のほか、お菓子などの甘いものを好んで食べるようになります。過食と合わせて体重増加につながるケースも多々ありよす。
④無気力
⑤人付き合いがおっくうになる
⑥集中が欠ける
など。
一般的なうつは、不眠で睡眠剤の服用が必要になるケースが多いのですが、冬季うつ病の場合は逆です。また、過食についても、過食症を除けば一般的なうつは食欲不振が多いのですが、冬季うつ病は逆となります。このように、「うつ」という名がついていても、症状はずいぶん異なります。
冬季うつ病の原因と対策
冬季うつ病は、「日照時間が少なくなる冬に発症する」、また「緯度が高いとことほど発症率が高い」ことから、日照時間の短さが大きな原因の一つとされています。日照時間が少なくなると、通常よりも光の刺激が減り、それが原因で神経伝達物質のセロトニンが減って脳の活動が低下してしまいます。そのため、体の一日のリズムが狂ったり体全体のバランスが狂ったりします。
そのため、冬季うつ病の予防には、
①日光をよく浴びる
②早起きをする(体内時計を調える)
③食事の工夫(肉・魚・大豆などのタンパク質やバナナ、さつまいも、レバー、青魚などに含ほれるビタミンB6などを摂取する)などが考えられます。
日本では、緯度が高い北海道や冬になると曇りがちになる日本海側の地域の方は特に注意が必要と言われています。ご注意ください。