五十肩とは、骨折や脱臼など特別な外傷や病気が無いにも関わらず発生する痛みのことです。40~50代に発生しやすい病気で、肩周辺に炎症が起こることが原因です。発症率は2~5%ほどで、痛みは肩だけにとどまらず腕まで及ぶこともあります。また、左右の肩に同時に発症することは少なく、ほとんどはどちらか一方に発症します。ただし、時期をずらして両肩が痛くなるケースもあります。
五十肩の症状
五十肩の症状は、主に「肩から腕にかけての痛み」と「腕の動きが制限され生活しにくくなる」ことです。五十肩の痛みは、突然発生することもありますが、多くは徐々に痛みが増してきます。また、痛みと同時に肩の可動範囲が狭くなります。(痛みはあるが、痛みを我慢すれば腕が動く場合は五十肩ではないと思われます。)
痛みは、約半年から1年ほどで自然に収まります。そのため、医師の意見を聞かず完治したと判断してしまう場合があります。しかし、痛みは自然に消えても肩の動きは元通りにはなりません。長い間放置しておくと、治ったあとで運動障害が残るので、適切な治療が必要です。本人は自覚がなくても、詳しく検査をすると、肩の可動範囲が狭くなっていることが多々あります。これは、五十肩になると、肩関節周辺に繊維質の物質が発生し肩の動きを邪魔するためです。安静と患者の自然治癒力に任せるだけでなく、今後の生活のためにも積極的に痛みと可動域制限を改善するための治療を受けることをお勧めします。
五十肩の原因と予防
五十肩の原因は、今でも明確ではありませんが、疑われるものがいくつかあります。
①年齢
年齢や運動過多により肩関節組織が固くなると、肩関節が傷つきやすくなり炎症が起こりやすくなります。
②冷え
肩を冷やすと肩の腱板が固まり傷つきやすくなります。特に薄着で冷房を浴びる夏に五十肩は多くなります。
③肩の運動不足
運動過多も問題ですが、運動不足も肩の組織が固くなり五十肩の原因となります。
そのため、五十肩の予防としては、肩を冷やさないことと適度のストレッチ運動が大切です。(ただし、痛みがある場合は無理な運動は避けてください。またときには炎症を抑えるために冷やすことが必要ですので、かかりつけの医師にご相談ください。)