扁桃は、のどの奥の左右にある、アーモンドくらいの大きさの組織です。扁桃はリンパ球という免疫組織が豊富な場所ですが、何かを分泌しているわけではありません。そのため、昔は「扁桃腺」と言われましたが、これは医学的には不正確であるため、最近は扁桃と呼ばれることが多くなりました。扁桃は、鼻や口から侵入する病原菌に対しての防御的な働きを持つ免疫臓器といわれています。しかし、これはとりわけ子供の場合で、大体中学生くらいになると、体内の免疫機能は、扁桃主体からリンパ腺主体へと変化していくため、扁桃の働きの重要性は減少します。
その扁桃が炎症し肥大することを扁桃炎と呼びます。
扁桃炎の原因と症状
扁桃炎は、主に細菌感染や風邪などによって引き起こされます。「急性扁桃炎」では扁桃が赤く腫れ、膿を持ったり、激しい痛みを伴います。また、40度近くの発熱や悪寒、全身倦怠感、頭痛、関節痛、耳の下から首にかけての腫れと痛みが出現します。さらにひどくなると、炎症や腫れのために、ものが痛くて飲み込めなくなることがあります。
また、一旦治ったようにみえても細菌が生き残っていて、このような急性炎症をたびたび繰り返す状態を「慢性扁桃炎」といいます。この場合は医師の判断により扁桃摘出術を勧められる場合があります。
扁桃炎の予防のために
扁桃炎になる大きな原因は風邪・免疫力の低下・乾燥といわれています。
・手洗い・うがい
・充分な睡眠
・バランスの良い食事
・栄養価の高い食品の摂取
・歯磨き(口の中を清潔に)
・ビタミンCなどの補給
・その他サプリメントの使用
・マスクを着用する
・部屋の湿度を40%~70%で維持する
・蒸気吸入器の使用
・たばこを控える
また、扁桃炎になってしまった場合は次のことに気を付けてください。
・水分補給をこまめに
・うがいはしっかりと行う
・のどの痛みがひどく食事や水分が補給しにくい場合は病院で点滴治療を
・食欲がもどったらスープ・ゼリー・プリンなど喉ごしがいいものを少しずつ食べる