翼状片とは、白目の部分を覆っている半透明の膜(結膜)が、黒目に三角状に入りこんでくる病気です。鏡で自分の目を見れば症状が一目瞭然なのでセルフチェックをしてみてください。通常は、鼻側から白目が侵入してきますが、ひどい場合は両側から症状が発生してきます。初期症状はありませんが、病気が進行してくると視力が下がるため、早期発見が大切です。また、下から上に結膜が伸びてくることがあります。これを偽翼状片といいます。
翼状片の症状
翼状片になっても痛みはありませんが、結膜が伸びるため血管が増えます。その結果として「目の充血」が起こり、いつも白目が赤く見えてしまうようになります。また、目がごろごろするといった「異物感」を感じる人が多いと言われています。
その他にも、結膜の浸食により角膜が歪み、それによって乱視が生じ、裸眼視力が低下します。さらに症状が進行し、角膜中心部(瞳孔)にまで結膜組織が侵入してくると、矯正視力も低下します。
このように、色々な症状がありますが、一番気になる方が多いのは、黒目が欠けてみえることから来る外観の問題です。
翼状片の原因
翼状片の原因についてはまだ解明されていませんが、結膜が刺激を受け炎症を起こすことが積み重なると発症しやすいといわれています。結膜への刺激となりやすいものとしては、「コンタクトレンズ」が考えられます。長年コンタクトレンズを使用している方は注意が必要です。
また、コンタクトレンズ以外で大きな問題になるのが「紫外線」です。紫外線は白内障を引き起こす原因として有名ですが、翼状片も紫外線と関わりが大きいといわれています。そのため、建設業やスポーツ選手、漁師と言った昼間外に出る機会が多い人ほど発症しやすく、若い人でも部活動などで紫外線をよく浴びると発病することもあります。また、地域別にみると、太陽光が強い沖縄県では40歳以上の方の約30%が発症していると推測されています。
ただし、個々の体質によるところも大きいため発症には個人差があります。
翼状片の予防
翼状片の予防には、紫外線を防ぐことが大切です。そのためには、帽子やサングラスが大変有効だといわれています。帽子を着用すると紫外線を浴びる量が20%減少し、さらに紫外線カット機能のある眼鏡やサングラスの着用で、90%も減少することがわかっています。紫外線カット機能付きサングラスを選ぶ際は、出来れば色が濃くないものがいいと思われます。色が濃いものを着用すると、どうしても瞳孔が開き、紫外線を浴びやすくなると言われてます。ご注意ください。