クワ(桑)は、クワ科クワ属の総称で、ヤマグワ・カラクワ・ロソウなどの品種があります。落葉性の高木で、大きいものは15メートルにもなりますが、通常は数メートルのものがほとんどです。クワの葉は、卵形で切れ込みがあり、ハート形に近い楕円形のものと、先が分かれたものがあります。雌雄異株が普通で、4月ごろ淡黄緑色の小花が集まって咲きます。実は複合果で、熟すと紫黒色になります。
甘酸っぱい実で果実酒などに使用されることもあります。クワの葉は、蚕が食べるものとして有名ですが、中国ではクワの薬効に目を付け、今から1900年ほど前に書かれた書物にはクワの葉を使ったお茶が「神仙茶」として登場します。日本でも鎌倉時代の僧侶「栄西」が記した書物「喫茶養生記」にクワの葉のお茶について記載があり古くから多くの人に愛されてきました。
クワの葉は栄養価が非常に高く、カルシウムは牛乳の27倍、鉄分は小松菜の15倍も含まれています。また、亜鉛の含有量も多く、非常に優れた栄養補給源といえます。