胸やけとは、飲み過ぎたり食べ過ぎたりしたときなどに感じる、胸の辺りが焼ける様な酸っぱい様な感じのことを言います。英語では「heartburn」といい、日本語にすると「心臟が焼ける」と表現されます。部位の違いはありますが共に「焼ける」と言われます。
胸焼けの原因
胸焼けの起こる場所は、多くの場合「食道」で、胃酸が胃から食道へ逆流したときにおきます。食道と胃の間には「噴門(ふんもん)」という門があり、胃液の逆流を防いでいます。しかし、食べすぎや飲みすぎなどで、胃の内部の圧があがることによって食道への逆流が起こります。食道は強い胃酸に耐えられません。そのため胃酸が逆流するたびに、だんだん荒れてきます。これを「逆流性食道炎」といいます。
逆流性食道炎をひきこす原因は
①暴飲暴食
②肥満(胃を圧迫するため)
③喫煙、過度の飲酒(噴門の力を弱めます)
④ストレス(胃液の分泌が過剰となります)
⑤姿勢(腰が曲がると胃が圧迫されます)
⑥老化(噴門を含む筋力低下の原因です)
などがあげられます。
逆流性食道炎を放置すると
通常は、胃液の逆流が起こると自律神経が働いて食道を守ろうとします。しかし、頻繁に胃液の逆流があると、自律神経が過剰反応し様々な影響が出ます。例えばノドの筋肉をコントロールする自律神経に影響が及ぶと自律神経が誤作動してノドの筋肉が異常に緊張することがあります。すると、ノドに何かが詰まっているように感じます。また、肺の動きをコントロールする自律神経に影響が及ぶと、激しいセキがでるなど、ぜんそくの症状が現れることもあります。このように、本来は体を守るはずの自律神経ですが、乱れると体の不調の原因となります。
胸焼けを予防する
胃液の逆流を防ぐには、
①暴飲暴食をしない
②食後すぐに寝たり運動したりしない
③食後30分シュガーレスガムなどかむ
(唾液には胃酸を中和する働きがあります)
などの方法があります。それでも胸焼けが発生した場合は、水や牛乳を飲むことで食道を洗い流すと収まる場合が多々あります。
(こちらはあくまでも予防・応急処置法ですので、症状が続く場合は専門の医師の診断を受けることをお勧めします。)