身近な病気

網膜とは?網膜剥離について 光視症や飛蚊症にご注意を

18_06_04目をカメラに例えると、水晶体は「レンズ」網膜は「フィルム」にあたります。
網膜に映った映像が視神経を通って大脳に送られて、人は初めて物を見ることが出来ます。網膜は切除したら再生することはありません。
水晶体のように人工的なもの(水晶体の場合は一般的に人工レンズが普及しています)と交換することは出来ず、角膜のように移植することも出来ません。
網膜は、目の組織の中でも最も大切なものといえます。

網膜剥離とは?

網膜剥離とは、神経網膜が外側の網膜色素上皮細胞(もうまくしきそじょうひさいぼう)から剥がれてしまう病気です。網膜は色素上皮より栄養を供給されています。そのため、剥離し栄養が途絶えると、光に対する感度が低下してしまい、視力の低下、歪み、視野欠損などの症状があらわれます。早期に発見して、適切な治療をすれば視力が回復する場合が多いといわれています。しかし、網膜に栄養が届かない状態で放置すればするほど完治するのが難しくなります。特に黄斑部は敏感で、ここが剥離すると短期間でも視力が正常に回復するのは難しくなってしまいます。

 

網膜剥離の原因

網膜剥離の原因には、様々なものがありますが、一番多いものは網膜に裂け目ができたり、穴があいたりするものです。このような裂け目や穴を網膜裂孔(もうまくれっこう)といい、これによる網膜剥離を裂孔原性網膜剥離といいます。網膜裂孔は、硝子体が縮小し、網膜を引っ張り剥がす力が原因で発生することが多いと言われています。これは50歳頃から誰にでも発生する「老化現象」の一つです。

 

網膜剥離の症状

硝子体が縮小すると、しばしばキラキラと光を感じることがあります。これは硝子体が網膜を引っ張る際の刺激が視覚信号(光)として認識されるために発生するもので、光視症と呼ばれています。また、網膜裂孔が発生する際に、「飛蚊症」を自覚することがあります。飛蚊症は、硝子体の中の濁りの影が見えるものなので、眼球を動かすと、飛蚊症もついてきます。混濁物のほとんどは、硝子体線維の集まったもので、淡い色のものですが、硝子体の縮小が起こると、視神経の部分についていた濃い混濁が浮いてきて、はっきりとした黒い影が見える場合があります。

 

光視症、飛蚊症ともに、それがあるから必ず網膜剥離になる、というものではありませんが、自覚したら注意が必要です。網膜は痛みを感じる神経がないため自覚症状が少なく見逃してしまうこともあります。定期的に眼科医による「眼底検査」を受けることが早期発見において一番大切です。