体の不調

だるい、疲れの原因とは? 隠れた病気にもご注意を

体の不調 2020年10月12日

今回のテーマはだるい、疲れの原因についてです。

発熱の有無や隠れた病気を確認しましょう。

 

発熱をチェックしましょう

 「だるくて疲れがとれない」という女性の悩みは、大変よく聞かれる症状です。まず、発熱があるかどうかを必ず確認します。発熱がある場合と、ない場合では、疑う疾患が異なります。

また、体重の変化・食欲不振・睡眠障害・口の渇きや多飲・息切れや動悸・便通異常・月経異常などがないかを確認します。

 

隠れた病気を確認しましょう

 発熱のないだるさの原因として遭遇する頻度の多い順に、貧血・糖尿病・肝障害・心不全・腎障害・甲状腺などが挙げられます。更年期以降の女性では、糖尿病が多く、空腹時血糖だけでは見逃されることがあります。採血で血糖やHbA1cの検査・負荷テストも必要なことがあります。内科的に異常がない場合は、過労や睡眠不足・ストレス・更年期症状などがないか確認します。それらによる自律神経のバランス異常が、だるい、疲れるの原因となっていることが大変多くあります。さらに、それらが引き金になり、うつ症状をきたしている場合もしばしば見られます。その場合は、逆に眠れないなどの睡眠障害を訴えることが多くなります。見逃されやすいものとして、いびきや睡眠時無呼吸症候群による自覚のない慢性睡眠不足を原因としただるさもありますので、いびきの有無も確認します。更年期障害や過敏性腸症候群、線維筋痛症の一症状のこともあります。

 

自律神経失調症か、更年期障害のことが多い

 隠れた病気がないことが除外されれば、過労や睡眠不足・ストレスによる自律神経失調症の改善を促すために、休養や規則正しい生活ができるようにします。自律神経失調症は、「気のせい」ではなく、自律神経が調節できない「病気」であることや「気の持ちよう」では治らないことが多いのです。ベンゾジアゼピン製剤を「自律神経を安定させる薬」として処方すると効果があることが多いです。身体症状が主のうつの場合は、内科でのSSRI処方等で対応可能なことも多いですが、精神症状が前面に出ている場合は、精神科や心療内科の専門医を紹介します。

更年期障害の一つの症状であることも多いので、ほかの更年期症状があれば、その治療をすることで改善できます。