耳鳴りとは、実際には音がしていないにも関わらず、「キーン」「ジーン」「ゴーン」「ザーザー」「ドクンドクン」など、何か音が聞こえる現象です。大きくわけて、体の内部に音源があり、聴診器などで他の人にも聞こえる「他覚的耳鳴」と、内部・外部ともに音源がなく、他の人には聞こえない「自覚的耳鳴」の2つのタイプがあります。
耳鳴りの原因
【他覚的耳鳴】
他覚的耳鳴の場合、体内に音源があります。
間欠的なものと持続的なものがあり、間欠的なものは、耳管周辺の筋肉や耳小骨(じしょうこつ)についている筋肉のけいれんによるものが有名です。また、人によっては、物を飲み込んだ時などに、鼻の奥の上咽頭(じょういんとう)で耳管の開口部の隆起が周囲の粘膜に触れてピチャピチャ音をたてるのが聞こえてしまうこともあります。また、持続的な場合は、耳周辺の血液が流れる音が聞こえてしまうことがあります。
【自覚的耳鳴】
自覚的耳鳴は、耳鳴り発生の仕組みが明確にわかっていませんが、内耳から脳に至る聴覚神経のどこかに問題があると思われます。
耳鳴りの多くは、人体に異常があるわけではなく、時間とともに軽減されていくといわれていますが、なかには「突発性難聴」「中耳炎」「耳リンパろう」「メニエール病」などの他の病気が原因の耳鳴りもありますので、心配な場合は病院で診察を受けることをおすすめします。
予防について
重度の耳鳴りや他の病気が疑われる場合は、病院での治療が必要ですが、自宅でできる簡単な予防方法もありますのでいくつかご紹介します。
①リラックスする
ストレスなどにより自律神経の働きが悪くなると耳鳴りが発生するケースがあります。ゆったりとして気分を落ち着かせるようにしましょう。
②血行促進
肩や首付近の筋肉疲労・血行不良によって耳鳴りが発生することがあります。ぬるめのお湯で、ゆっくりとお風呂に入る、首のストレッチ運動をする、ウォーキングをする、こっている所に蒸しタオルをあてる、など、血行をよくし、筋肉をほぐすようにしましょう。
③食事
黒豆には、血のめぐりをよくする様々な栄養が含まれています。また、胡麻に含まれるセサミンも耳の健康維持に役立つといわれています。その他、ニンジン、ホウレンソウ、タマネギなどの野菜類、クルミや栗もよい食品といわれています。逆に油脂類や加工食品、タバコ、コーヒーなどは、大量にとると血行不良や神経の老化を招くので、適量を心がけましょう。